＊きっかけ
ある日、携帯電話にピーズのＰちゃん１７才から連絡が入りました。
「今度のモトルネでグラストラッカーのレースがあるんやけど、出ない？スズキがバイクを貸してくれるし。僕とＮＺＲ氏と３人で出ようよ。」
こんなオイシイ話、尻尾ふりふりですぐに食いついちゃいます。ラッキー！
「でもデキレースやねん。スズキの営業に勝たせてやらんとアカンねん。」
ま、タダで乗れるらしいし、サーキットツーリングもいいもんです。なんだか楽しいことになりました。この日はモトルネの１０日前でしたが。
＊レース展開を決めよう！
順位を競わないのですが、レースっぽく見せないといけないだろう、ってことでレース展開をどうしよう？と盛りあがります。「イン側の足を閉じたら抜いてこいって事やしインを刺して、抜いてこいよ。」、「直線は３台でスリップ使い合うフリをするで〜！」
＊ところでグラストラッカーって？
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スズキの２５０ｃｃ単気筒で |
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＊当日の朝
６：００に大会事務局に行って、バイクのカギを受け取ります。ここで初めてバイクとご対面です。全部で８台あります。前回はツクバサーキットで走行した車両らしく、ステップを激しく削っているモノもあります。どの人が優勝する人なのか知らされないまま、バイクをグローリーホールのテント横まで持っていき、準備をします。タイヤに空気を入れて（空気圧はあてずっぽ）、サイドスタンドを外して、とやっていると、今回の出場ライダーであるスズキの営業のＴさんが来られました。（きっとこの人が優勝する人だな！）と思って話を聞いていると、「別にいいですよ！好きなように走ってください。」おぉ、いい人だー！「ただし、ぜーったいにコケないように！」そういえばバイクを借りる時、＜返却の際は元通りの状態であること＞みたいな事が書かれてました。つまりコケて壊したら直せよ、ってことのようです。大丈夫、今日はサーキットツーリングのつもりです。問題ナッシング！適当に走ればいいや。
＊予選
さあ初走行が予選です。ゲートオープンぎりぎりに行ったのに、僕らが一番乗りです。僕らの次に来た人も「初めて乗るバイクだ」って云ってました。どんなバイクなんだろ、と楽しみにしながらコースイン！うーん、すごい遅さです。どこまでも全開に出来そうです。全開にしてると、おっとＮＺＲさんを抜いてしまいました。適当に走ってはいるのですが、ストレートにくると思わずベタベタに伏せてしまいます。ま、梅干を見ただけでヨダレがでてくるようなものです。コーナーではとてもゆっくり進入しているのに、ステップを擦ってしまいそうです。景色を楽しみながら走っていると、便所裏ストレートのフェンスの向こうで仲間が手を振ってます。おぉ、見てる見てる！なんだか今日は周りが良く見えるぞー！あれっＮＺＲさんやＰちゃんが来ないぞ？後ろで皆と一緒に走っているのかな？ストレートで振りかえっても見えません。ま、いいや。おっ？？コースのそこかしこでカメラマンのレンズが僕に向けられます。気分いいぜー！！よーし、今日のコーナーリングはダートトラックっぽく、足出しスタイルでイクぜー！カメラマンさーん！俺を撮ってくれーー！今日の気分は木村パパだぜ、シャンボンだぜ！でもコーナーリングスピードの遅さじゃ負けません！ピントも合わせやすいことでしょう。もう毎周、カメラ目線だぜー！
そろそろ１０分の予選も終わりかな、と思ってるとコントロールタワーでオフィシャルがチェッカーフラッグを持ってます。僕に振られるのかなぁ、と思ってると振りません。ってことはこれが最終計測ラップです。ずっとカメラマンばかり気にしてチンタラ走ってたので、最後だけちょこっとだけハングオンしてみることにしました。やっぱりハングオンだと安定します。ストレートでは１４０ｋｍ／ｈくらいです。コーナーではステップを擦らないように丁寧に曲がります。皆、どれくらいで走ったんだろ？
結果は、、、なんとポールポジションです。皆、もっとゆっくり走ってたらしいです。なんだか失敗したかなぁ。
＊いよいよ決勝進行
皆に「ポールを取ってしまったから優勝しとかないと！」と云われます。う〜ん、、、何だか僕が勝ってしまうのは主旨に反するみたいで気が引けます。でも「ポールなら勝たないと仕方ないだろ。」とも云われます。そこで、勝てそうなら勝っちゃう、速い人がいたら無理せずに譲る、とお気楽に行くことにします。おぉ、なんて気軽なんだ〜！こんなにプレッシャー無く走るなんて初めてです。
さあスターティング
グリッドに並びます。するとレースクイーンが傘をさしてくれるではあーりませんか！！思わずナンパしそうになりますが仲間の手前、ガマンガマン。せっかくだから２ショットで写真を撮ってもらいます。たのしいなー！グリッド上でこんなにリラックスするのは初めてです。いつもは耳と鼻の穴から蒸気を噴出させてキンチョーしてますからね。
 ポールでごキゲンなＴＣ平野氏 |
 Ｐちゃんとお春さん。そして後ろにはＮＺＲさんが。 |
 右上の写真と比べるといきなりおとなしい ＮＺＲさんと河口選手 |
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＊ではレーススタート
レースは全６周です。楽しみだなぁ！
＊＊１周目
横を見ながらスタートします。すると予選２番手の人は失敗したみたいで後に下がってしまいました。予選３番手の人はいいスタートです。僕も１コーナーまで並んで走ります。１コーナーを譲ろうかどうか、考えているうちに１コーナー直前まできました。僕の方が少し前にいるみたいなので、そのままインに寄って、１コーナーを通過します。２コーナーにトップで入ります。インから少し離れた地面が平らなラインを走っていると、おっと！
スズキの営業の？さんに鋭くインを刺されてしまいました。いきなりトップを奪われます。続けざまに予選ビリのＮＺＲさんにも抜かれます。そのまま３位でドンゾコ（アトウッド
コーナー？）に入ります。ドンゾコを抜けて、？さん、ＮＺＲさん、僕の順で３台並んで裏ストレートを走ります。スリップが効いて（というより開け始めが早かったから？）、ＮＺＲさんが？さんを抜きました。僕はＮＺＲさんのスリップに入ってたので、ＮＺＲさんも抜きます。ＮＺＲさん、全然つっぱらずに、すんなり前へ行かせてくれます。（うーん、これはトップを走れってことなんだろうなぁ。）と思いつつ、トップになりました。
＊＊２周目〜４周目
あまり２位との差を広げすぎないように、後を見ながら走ります。２位はずっとスズキ営業のＴさんです。Ｔさんのピットクルーはプラットホームでコブシを突き上げて応援してます。サインボードには「ＵＰ、ＵＰ、ＵＰ」！盛りあがってます。ピットクルーも楽しそうです。僕の仲間はプラットホームには誰もいません。皆、コースのどこかで見物してるんでしょう。
ある周、１コーナー進入でＴさんにトップを奪われました。Ｔさん、気合入ってます！２コーナー、モスＳ、ドンゾコ、と後に付いていき、裏ストレートで並び、抜きました。抜くときに、「お先〜」と左手で合図しました。抜いた後、スリップに付かれないよう、ちょっとバイクを振ってみたりなんかしちゃったり。いやはや楽しいバトルです！！
＊＊５周目
左々２個目の出口で、仲間があまりにも元気に応援してくれるものですから、左手で手を振りました。その後チラッと後を見ると、、、Ｔさんがベタ伏せで迫ってきています！やる気だー！！Ｗヘアピンの２個目を２速でインベタで曲がると、、、なんとＴさんがアウト側から抜いてきました！そのまま最終コーナー１個前を後ろで走ると、ヘルメットに何かがバチバチ飛んできます。たぶんステップのゴムが地面で削れて飛んできてるんでしょう。本気の走りです。最終コーナーを２位で通過して、フッと気付きました。（もしや最終ラップ？？）コントロールタワーを見ると、まだチェッカーは振られていません。Ｔさんのピットクルーはプラットホームで大喜びしてます。たぶん次が最終ラップだろうなぁ。抜いてもいいのかなぁ。
＊＊最終ラップ
２コーナーの進入をやや速くして、すこし早くアクセルを開けました。で、モスＳでＴさんに並んで抜きました。その後、そのまま前を走って、ゴールです。ポールトゥフィニッシュなんて１０年振りです。でも何だか複雑な気分。僕が勝っても良かったのかなぁ？チェッカー後、１コーナー辺りで走りながらＴさんと握手、ＮＺＲさんもやってきて握手、これは初めての経験！なんだかＧＰで勝ったみたいですな。
＊表彰台
ここでも大喜びするのはコッパずかしいし、喜ばないのも失礼だし、、、なんだか複雑です。でもＴＩサーキット初のお立ち台、シャンパンファイト、ウレシイもんです！シャンパンファイト後、カッコつけてシャンパンを飲もうとしたら、「ゴホッゴホッ」と咳き込んでしまい、仲間に笑われてしまいます。（僕は全くアルコールがダメなんです。）次は本業のターミネーターで立ちたいなあ！今回、バイクに乗せてくれたＰＥＥ´Ｓさん、スズキさん、ありがとさんでした！！
 シャンパンファイト |
 はいポーズ！お疲れさまでした。 |
＊グラストラッカークラスについて
このクラスはこれからレースを始める初心者向けのクラスとして設定されようとしているみたいです。今、売れてる（売ってる）バイクでの入門クラスが（ほぼ）ありませんし、こんなレースが盛りあがるといいですね。もちろん、僕は２度と出ませんし、こういった企画から競技が盛りあがってくれれば、と思います。「グラトラ
クラスはこれっきりじゃない？」って噂もあるようですが、そんなことないですよね！＞リバーフィールドさん、ＭＦＪさん、スズキさん。これからレースを始める人が増えるといいなあ。
＊おまけ
〜グラストラッカーのサーキット（？）
インプレッション〜
◯長所
×短所
〜 グラトラでのＴＩ攻略法〜
＊マシンのスペック
ファイナル、タイヤを含めて何から何までフルノーマル。タイヤのエア圧は１．８ｋｇ／ｃｍ2。リヤサスユニットのプリロードは最強。
＊ホームストレート
左手はフロントフォークより、ガソリンタンクを持つほうが、より伏せることができそうです。もちろん５速（までしかない）全開。
＊１コーナー
５速から３速にシフトダウン。ゆっくり進入しないとステップを擦る。入ってすぐ全開。
＊２コーナー
３速から４速に上げて進入。ちょっとブレーキをなめて、ゆっくり進入しないとステップを擦る。入ってすぐ全開。
＊モスＳ
ずっと４速全開。右に倒して５速に入る。５速で回していくと、ドンゾコ手前でメーター読みで１４０Ｋｍを少ーし振りきる。
＊ドンゾコ
５速から３速にシフトダウン。ブレーキングはとても奥。例によってゆっくり進入。例によってすぐ全開。
＊裏ストレート
とてつもなく長く感じる裏ストレート。もちろん５速まで入る。
＊裏ヘアピン
ブレーキングポイントはすっごく奥。なんせ速度が出ていない。５速から（たしか）２速に落とし、ギャーンと回しつつ立ちあがる。
＊左々１個目、２個目
１個目は２速から３速に上げてアウト一杯から進入。２個目には３速そのままで進入。やはりゆっくり進入。
＊便所裏ストレート
３速、４速、５速とシフトアップ。
＊Ｗヘアピン１個目、２個目
５速から３速に落として通過。（２速だと回りすぎていて遅い。でも３速だとタルい。）
＊最終１個手前
３速から４速に上げて、全開のまま通過。（でも決勝ではステップを擦りそうなのでちょっと戻して進入。）
＊最終
４速のまま、入り口でちょっと戻して、通過。
＊まとめ
初めてで、しかもちょっとしか乗ってないので大したことはわかってません。（使ってるギアも間違ってるかも。）ステップを擦ることを気にして、できるだけ大きなラインでスムーズに、全開時間を長くとると速いようです。（当たり前だろってツッコミは無しよ！）
〜グラトラのモディファイ
ポイント〜
どんなレギュレーションになるのか知りませんが、こうしたら速く走れそうな箇所を想像で挙げてみます。
１．ステップの位置変更
とにかくすぐ擦りそうなので１０cmくらい（もっと？）上げると良さそうです。
２．ファイナル（２次減速比）の変更
もうちょっとショートがいいような気がします。小さいコーナーを３速で合わせても、どうせ５速はフケ切らないように思います。
３．ハイグリップタイヤの装着
コーナーリング スピードを安心して高くできそうです。
４．リヤサス ユニットの交換
純正は動いている感じがしないのに、半分くらいストロークしてました。（プリロードは目一杯かけてました。）ストローク半分くらいまでで、もっと腰のあるユニットが良さそうです。
５．前フォークのセッティング変更
純正はずっと動いている感じがしてて、ポヨンポヨンしてます。
６．ハンドルバーの変更
もっと幅を狭く、低くするといいのでしょうが、、、グラトラらしくなくなりますね。
７．タコメーターの装着
何回転なのか知りたいよ〜！
ん？そういえばＴＩをタコメーターの付いたバイクで走ったことが無い…。
◆グラトラクラスのレース速報！！
ＮＺＲさんの御協力により予選結果とリザルトを掲載いたします。ＮＺＲさんありがとうございます。
レースはお約束？と異なり、うちのＴＣ平野選手が予選ポールから優勝までしちゃったようですね。
レースレポートは近々掲載いたします。
予選結果
順位 車番 ライダー タイム 平均ｋｍ/ｈ 周回 トップ差
１位 １０ 平野哲司 ２'２２．９９６ ９３．２２５ｋｍ/ｈ ５/５
２位 ９ 篠崎洋平 ２'２５．８０５ ９１．４２９ｋｍ/ｈ ３/３ ００'０２．８０９
３位 ７ 松谷直樹 ２'２７．０８８ ９０．６３１ｋｍ/ｈ ３/３ ００'０４．０９２
４位 １ 矢野宏治 ２'２７．２０１ ９０．５６２ｋｍ/ｈ ４/４ ００'０４．２０５
５位 ６ 徳長武 ２'０７．３０７ ９０．４９７ｋｍ/ｈ ３/３ ００'０４．３１１
６位 ５ 竹中博之 ２'２７．６５５ ９０．２８３ｋｍ/ｈ ３/３ ００'０４．６５９
７位 ４ 石井光久 ２'２７．７２６ ９０．２４０ｋｍ/ｈ ４/４ ００'０４．７３０
８位 ２ 福原圭一 ２'２７．９２５ ９０．１１９ｋｍ/ｈ ４/４ ００'０４．９２９
決勝結果
順位 車番 ライダー 周回 所要時間 平均ｋｍ/ｈ ベストタイム 周回
１位 １０ 平野哲司 ６ ００：１４'１７．６９８ ９３．２５５ｋｍ/ｈ
２'１８．６８５ ６
２位 ６ 徳長武 ６ ００：１４'１８．２２０ ９３．１９８ｋｍ/ｈ ２'１９．５７４ ６
３位 ５ 竹中博之 ６ ００：１４'１９．３８５ ９３．０７２ｋｍ/ｈ ２'１７．４８１ ５
４位 ２ 福原圭一 ６ ００：１４'２０．３６２ ９２．９６６ｋｍ/ｈ ２'１９．５５８ ６
５位 ７ 松谷直樹 ６ ００：１４'２０．４０２ ９２．９６２ｋｍ/ｈ ２'１８．８３９ ５
６位 １ 矢野宏治 ６ ００：１４'２１．０９７ ９２．８８７ｋｍ/ｈ ２'１９．６８４ ５
７位 ９ 篠崎洋平 ６ ００：１４'３３．６６４ ９１．５５１ｋｍ/ｈ ２'２２．７０６ ５
８位 ４ 石井光久 ６ ００：１４'３５．３２２ ９１．３７８ｋｍ/ｈ ２'２３．２６８ ６
■16/August/2001：新着情報
◆グラトラ情報！
今回、出場するグラストラッカー＆ボルティーのワンメイクレースですが、そのグラストラッカーについて。スズキがネット上で矢井田瞳さんのデザインしたグラストラッカーを限定５台で抽選販売するそうです。というのも矢井田瞳さんがボルティーのオーナーだったからというのがハナシの発端だそうですが。
こんどのレースに来ればいいのに。来ないか。
■11/August/2001：新着情報
◆ワンダーエナジー最新情報！
来る８月１９日の日曜日（つまり今度の日曜日。全国的にはバイクの日。ってみなさん御存じですよね？さらにはカントク３２歳になった次の日でもあります。）。毎度おなじみ岡山県はＴＩサーキットにてスカトロとともにＴＩを代表するサンデーレースの雄「夏のモトルネッサンス（通称：モトルネ）」が開催されます。
モトルネではスカトロとブッキングしないカテゴリーが行われているため、ワンダーエナジーの参戦カテゴリーがスカトロに集中している関係上まったく出場したことはない（あ、例外は一昨年の夏にあったモトルネウィークがありました。）のですが、今回急遽参戦することになりました。
今回参加するカテゴリーはＴＩ初登場のグラストラッカー（ボルティーも可）によるワンメイクレースです。同カテゴリーは筑波ではすでに開催されており、初心者レーサーの注目を浴びているようです。で、本来は初心者によるレースの為、参加できないんでしょうが、まあ今回はイッパツ目ということで大目に見てもらってうちからはエースのＴＣ平野選手を投入します。
ちなみに今回も、というかすでに当たり前になりつつあるＰＥＥ’ＳさんとＧｌｏｒｙ Ｈｏｌｅさんの連合軍で出場します。同カテゴリーにはＰＥＥ’ＳさんからＶＴＲ初代チャンピオンのＰちゃん１７歳が、Ｇｌｏｒｙ ＨｏｌｅさんからはＮＺＲさんが出場します。目指せ！表彰台独占＆初代グラトラチャンピオン！！
